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目の下のクマ問題、安易な脱脂には要注意!他の選択肢も知ろう。

2023年の美容ブームといえば、目の下の脂肪を除去してクマを目立たなくさせる脱脂手術。が、人気の影で安易に脱脂を選択してしまったことで、トラブルを抱えてしまったというケースもちらほら聞く。今回はそんな脱脂ブームに警鐘を鳴らす、皮膚科医の慶田朋子先生に、目の下のクマ対策を聞いた。

目の下のくま対策。クマの種類で治療法が違う

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「クマはおもに茶グマ、青グマ、黒グマ、たるみグマ、へこみグマの5種類あってそれぞれ治療法がちがいます。若い世代は皮膚の代謝低下が原因の茶グマや血流不足で出る青グマがほとんど。黒グマは加齢による代謝の悪さと肌の老化が原因。40代からは複数のクマが合わさっている場合もあるので医師と相談がマスト」と語ってくれたのは、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生。

さらに、年齢を重ねるとその下に位置する頬も、脂肪の萎縮とたるみで本来の位置から下方に移動して凹みが生じるというから、対策も一つでは解決できなくなるというのだ。「目の下に脂肪の膨らみができると同時に、加齢により頬の部分はこけてくる。その差がさらにクマを目立たせているというケースも。なので、目の下の膨らみ(脂肪)をとることがクマの解決にはつながらないケースもあるということを皆さんには知って欲しいです。対して脂肪が溜まっていないのに、無理やり除去してしまったことで、逆に老け込んでしまったというケースも……。流行っているからと安易に脱脂を選択するのはやめましょう。あと、一度、美容全般を見てくれるクリニックに自分のクマのタイプを相談することをお勧めします」

脱脂以外の選択肢は何がある?

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「色素沈着が原因のクマであれば、コンシーラーやハイライトを使用して、明るさを与えて目立たなくさせることができますが、加齢のたるみや脂肪萎縮による影は立体的なものなので、メイクでごまかせないのが特徴です」と慶田先生。脱脂が自分の最適ではなかった場合の選択肢として、高周波や超音波機器、ヒアルロン酸注入や、ベビーコラーゲン注入など切らない目の下の治療があるという。特に先生が今推しているのがベビーコラーゲンの注入。「目の下の青グマ、目の下の微かな凹み、目の下のたるみジワ、上瞼の窪み目(くぼみ眼)等、影や凹みをほんのりふっくらとととのえ、色調やテクスチャーまで改善されます。製剤が乳白色なので、注入すると黒さや青さが目立たなくなるハイライトのような効果もあり、目元全体を明るく見せてくれます」。

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目袋の下の凹み部分やアイホールだけに微量を注入することで、乳白色をしたコラーゲンにより、黒影が目立たなくなるという。痛みはそこまでではないが、施術後は3日間ほどの腫れ、内出血が出た場合のダウンタイムは2週間程度なので、仕事とプライベートのスケジュールを鑑みて施術を受けるスケジュールは考える必要がありそう。また、もちの程度を聞いたところ「ベビーコラーゲンは体内に吸収される製剤なので、目の下のクマを隠す効果は10ヶ月程度を目安に考えてください。ただ、コラーゲンが肌の底上げをしてくれるので、2回目に受ける時は肌が若返った状態になっています。2回受けるとその効果はより長持ちしますよ」 とのこと。目の下のクマと今年こそおさらばしたい人、目にメスを入れるのは抵抗がある人の良き選択肢になりそうだ。ベビーコラーゲン 1本 135,000円 2本目~130,000円(銀座ケイスキンクリニック)。

●慶田先生が勧める目の下のクマの治療法

ベビーコラーゲン:ヒト由来の胎盤からコラーゲンのみを抽出した製剤。極めて安全性が高く、注入剤としては珍しくアレルギーテストの必要がない。ヒアルロン酸に比べて柔らかく、目の下など繊細なパーツの注入に適している。製剤自体の色が乳白色なので、ハイライト効果も期待できる。

ヒアルロン酸:生体内に存在している成分。気になる部位に直接注入することにより、目の下であれば凹みを慣らし、影の部分を目立たなくさせることができる。老け込み顔を立体的に見せる、リフトアップ させるなどの使い方も可能。

超音波機器(HIFU):超音波のエネルギーを集約させ、肌の「SMAS筋健膜」や「脂肪層の偽性靭帯」に点状に照射して、コラーゲンを再生させ、肌のリフトアップ を図る。目の上に照射することで、目が開きやすくなる効果も。

Profile
慶田朋子
銀座ケイスキンクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。「切らないハッピーリバースエイジング®」をテーマに提案する、骨格と肌質に合った治療で人気に。最新の治療からコスメのトレンドまで網羅する幅広い知識と軽妙な語り口に定評が。 https://www.ks-skin.com

Photo:Getty images Editor:Kyoko Muramatsu